競馬場の馬場は、開催が進んでも常に同じ状態ではありません。
芝ではレースを重ねることで傷みが進み、ダートでも砂の状態や含水率、天候などによって走りやすさが変化することがあります。
そこで気になったのが、
「同じコースでも、開催前半と後半で好走する種牡馬は変わるのではないか?」
という点です。
今回は過去5年の中山芝1800mを、開催1〜4日目の「前半」と5日目以降の「後半」に分けて種牡馬成績を集計しました。
今回特に目立ったのがハービンジャー。
開催前半の複勝率10.0%に対して、後半は46.4%まで上昇しています。
一方、ダノンバラードやルーラーシップは前半の方が高い数字を記録。
さらに、これまで分析してきた1200m・1600mと比較すると、同じ種牡馬でも距離によって前半・後半の傾向が変化していることも分かってきました。
今回は特徴の異なる6頭を中心に見ていきます。
中山芝1800mはどんなコース?
中山芝1800mは、1200mや1600mより距離が延びる中距離戦です。
そのため短距離・マイルとは、レースの流れや求められる能力も同じではありません。
詳しいラップ構造やクラス別の違いについては別の記事で扱い、ここでは、
「開催前半と後半で種牡馬成績がどう変化しているのか」
に絞って比較していきます。
中山芝1800mの種牡馬成績を前半・後半で比較
今回注目する6頭はこちらです。
| 種牡馬 | 前半出走 | 前半勝率 | 前半複勝率 | 後半出走 | 後半勝率 | 後半複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ハービンジャー | 30 | 6.7% | 10.0% | 28 | 14.3% | 46.4% |
| ダノンバラード | 25 | 8.0% | 24.0% | 29 | 3.4% | 10.3% |
| ルーラーシップ | 25 | 4.0% | 32.0% | 32 | 6.3% | 21.9% |
| キズナ | 28 | 14.3% | 35.7% | 40 | 17.5% | 37.5% |
| ロードカナロア | 34 | 8.8% | 32.4% | 25 | 12.0% | 36.0% |
| ドゥラメンテ | 37 | 13.5% | 29.7% | 48 | 10.4% | 33.3% |
前後半で大きな差がある種牡馬もいれば、数字がほとんど変わらない種牡馬もいます。
その中でも、ハービンジャーの動きはかなり特徴的です。
ハービンジャーは開催後半で複勝率46.4%
今回最も目立ったのがハービンジャーです。
開催前半は30走で、
勝率6.7%・複勝率10.0%
でした。
ところが開催後半は28走で、
勝率14.3%・複勝率46.4%
まで上昇しています。
複勝率の差は約36.4ポイント。
後半28走のうち13走で3着以内に入っている計算です。
サンプル数はそこまで多くありませんが、これだけ大きな差が出ている以上、開催後半では注目しておきたい数字です。
ハービンジャーは1600mに続いて後半優勢
さらに面白いのが、中山芝1600mとの比較です。
芝1600mでもハービンジャーは、
前半複勝率28.9% → 後半38.3%
と、開催後半の方が高い数字を記録していました。
そして芝1800mでは、
前半10.0% → 後半46.4%
と、さらに大きな後半優勢。
現時点では、
芝1600m=後半優勢
芝1800m=後半優勢
という共通した動きが確認できます。
これだけで「ハービンジャーは中山の開催後半に強い」と断定することはできませんが、複数の距離で同じ方向の数字が出ているのは注目したいところです。
ダノンバラードは開催前半型
反対に、前半の方が高い成績を残しているのがダノンバラードです。
開催前半は25走で、
勝率8.0%・複勝率24.0%
開催後半は29走で、
勝率3.4%・複勝率10.3%
となっています。
複勝率では前半の方が約13.7ポイント高い数字です。
総出走54走とサンプル数は多くありませんが、開催前半で出走してきた場合にはプラス材料の一つとして確認しておきたい種牡馬です。
ルーラーシップは前半の相手候補
ルーラーシップも複勝率では開催前半が優勢です。
前半25走で、
勝率4.0%・複勝率32.0%
後半32走で、
勝率6.3%・複勝率21.9%
となっています。
複勝率では前半の方が約10.1ポイント高い数字です。
一方、勝率は前半4.0%と高くありません。
そのため今回のデータだけを見るなら、
単勝で勝ち切りを期待するより、ワイドや3連複などの相手候補
として考える方が使いやすそうです。
キズナは前後半とも高水準
キズナは大きな前後半差がありません。
前半28走で、
勝率14.3%・複勝率35.7%
後半40走で、
勝率17.5%・複勝率37.5%
です。
複勝率の差は約1.8ポイント。
勝率についても後半が少し高い程度です。
中山芝1800mでは、
「前半だから評価を上げる」「後半だから下げる」
という使い方よりも、開催時期を問わずチェックしておきたい種牡馬と考えた方が自然です。
ロードカナロアは1800mではほぼ中立
今回もロードカナロアを見てみます。
中山芝1800mでは、
前半34走・勝率8.8%・複勝率32.4%
後半25走・勝率12.0%・複勝率36.0%
でした。
複勝率差は約3.6ポイント。
後半がやや高いものの、大きな差ではありません。
ここまで中山芝1200m・1600m・1800mを比較すると、かなり面白い違いが出ています。
中山芝1200mでは、
前半21.8% → 後半29.0%
で後半優勢。
中山芝1600mでは、
前半40.6% → 後半27.8%
で前半優勢。
そして中山芝1800mでは、
前半32.4% → 後半36.0%
とほぼ互角です。
つまりロードカナロアは、
1200m=後半優勢
1600m=前半優勢
1800m=前後半の差が小さい
という結果になっています。
同じ種牡馬でも距離によって傾向が変化していることが分かります。
ドゥラメンテも前後半差は小さい
ドゥラメンテも比較的安定しています。
前半37走で、
勝率13.5%・複勝率29.7%
後半48走で、
勝率10.4%・複勝率33.3%
です。
複勝率は後半の方が約3.6ポイント高い一方、勝率は前半の方が高くなっています。
前後半で極端な差があるとは言えないため、開催時期だけで評価を大きく変えるタイプではなさそうです。
キズナと同様に、馬自身の能力や近走内容をより重視して判断したい種牡馬です。
距離を変えると前後半の特徴も変わる?
ここまで中山芝1200m、1600m、1800mと分析してきました。
そこで見えてきたのが、
距離によって前半・後半の傾向が変わる種牡馬
と、
距離が変わっても似た傾向を示す種牡馬
がいることです。
ロードカナロアは3距離で違う動き
ロードカナロアは、
1200m=後半優勢
1600m=前半優勢
1800m=ほぼ中立
と、3距離でそれぞれ異なる結果になっています。
ロードカナロアという種牡馬だけを見て「前半型」「後半型」と分類するのは難しく、距離まで分けて見る必要があります。
ダイワメジャーは1200mと1600mで逆転
ダイワメジャーも距離によって変化しています。
中山芝1200mでは、
前半複勝率25.6% → 後半17.9%
と前半優勢。
一方、中山芝1600mでは、
前半18.6% → 後半24.0%
と後半の方が高くなっています。
ロードカナロアほど大きな差ではありませんが、こちらも「種牡馬=前半型」と一括りにできない例です。
ハービンジャーは1600m・1800mとも後半優勢
一方、ハービンジャーは、
中山芝1600mで、
前半28.9% → 後半38.3%
中山芝1800mで、
前半10.0% → 後半46.4%
と、2距離とも後半優勢です。
距離が変わっても同じ方向の傾向が出ている点は、今後も追いかけたいポイントです。
モーリスは1600m・1800mとも前半優勢
反対にモーリスは、
中山芝1600mで、
前半26.9% → 後半20.7%
中山芝1800mで、
前半28.6% → 後半22.6%
と、どちらも開催前半の方が高くなっています。
差はどちらも6ポイント前後と極端ではありませんが、2距離で同じ方向の数字が出ている点は興味深いところです。
こうして複数距離を比較すると、
種牡馬だけを見るのではなく、競馬場 × 距離 × 開催時期まで分ける
ことの意味がより分かりやすくなります。
今後2000m、2200mと距離を広げることで、この傾向が続くのか、また違った動きになるのかも確認していきます。
中山芝1800mの種牡馬データを馬券でどう使う?
今回の6頭では、それぞれ異なる特徴が見えました。
開催後半なら、
ハービンジャー
→ 後半複勝率46.4%。前半との差が非常に大きい。
開催前半なら、
ダノンバラード
→ 前半複勝率24.0%、後半10.3%。
ルーラーシップ
→ 前半複勝率32.0%。ただし勝率4.0%なので相手候補として注目。
一方、
キズナ
ロードカナロア
ドゥラメンテ
は、前後半で極端な差がありません。
すべての種牡馬を無理に「前半型」「後半型」に分けるのではなく、
差が大きい種牡馬だけ開催時期を強く意識し、差が小さい種牡馬は他の要素を重視する。
この使い方が重要です。
まとめ
過去5年の中山芝1800mを開催前半・後半に分けると、今回最も大きな差が出たのはハービンジャーでした。
前半複勝率10.0% → 後半46.4%
と大きく上昇。
さらに中山芝1600mでも後半優勢となっており、複数距離で同じ方向の数字が出ています。
一方、開催前半では、
ダノンバラード
ルーラーシップ
の複勝率が高くなっています。
キズナ、ロードカナロア、ドゥラメンテについては、前後半で極端な差がありませんでした。
そして距離をまたいで比較すると、
ロードカナロアは距離によって前後半の傾向が変化
ダイワメジャーも1200mと1600mで傾向が逆転
ハービンジャーは1600m・1800mとも後半優勢
モーリスは1600m・1800mとも前半優勢
という違いも確認できます。
種牡馬を一括りに評価するのではなく、
競馬場 × 距離 × 開催時期
まで分けて見る。
中山芝1800mのデータからも、その重要性が見えてきました。


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